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カテゴリ:仕上がるまでのこと( 9 )

仕上がるまでのこと 9

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        味の決め手は・・・

    「手縫いって大変だね」とよく言われるのですが、
    いえいえ
    私にとってはほんの仕上げのひと工程です。

    中華料理の炒め物でいうならば
    中華なべでザッザッと派手にあおっているときのようなもの。
    炒め合わせるまでの下準備のほうがあれこれ神経を使い
    手間がかかるものですよね?
    野菜を選び(その前に何を作るかを決め)
    それぞれにあった大きさに切り分けて
    素材の持ち味を活かすように下茹でしたり油にくぐらせたり。
    こうした下準備こそ味の決め手となるわけです。

   
    一連の作業工程をお読みくださってありがとうございます。
    ひとつの作品が仕上がるまでの下準備を
    想像していただけたら幸いです。

    
    さてさて最終仕上げ。
    縫いあがったら糸の始末をし、
    革の裁ちっぱなしの部分をつやつやにするコバ磨きです。
    縫い合わせた革の断面(コバ)を、粗い目から細かい目のヤスリを使って整えたら、
    海草のふのりを煮溶かしたものと水をほどよく染み込ませつつ、
    十年以上愛用の自前の竹べらで
    光がのるまで磨きこみます。



                  「 仕上がるまでのこと 」     2008.8

                     制作・文   角辻わかば
                     撮影協力  田中青佳




            
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by wakabaworks | 2010-01-20 19:43 | 仕上がるまでのこと | Comments(2)

仕上がるまでのこと 8

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        思い描いた空気を形作る

    接着のりの使い方、
    どこにどのようにのりを塗るかで仕上がりの質感は大きく変わります。
    わたしは基本的にゆったりと仕上げたいので、
    接着は縫い目の穴を空けるときに革同士がずれないようにとめる必要最低限の量にし、
    麻糸で
    ふわりと軽く縫い合わせていくというイメージをもって進めています。

    
    実際にはしっかりと糸を引き締めながら頑丈に縫っているのですが、
    仕上がったものの雰囲気を常にイメージしていることは大切です。


    手縫いに使う麻糸は
    買ってきた白糸を好きな色に染め
    蝋引きして
    よく引き締まり毛羽立たないようにしてから使います。

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by wakabaworks | 2010-01-19 21:47 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 7

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    仕立て
           中心を感じる


      いよいよ仕立てです。
      型紙通りに裁ち、
      縫い合わせる部分やへり返す部分は
      丸く研いだ革包丁で
      うすく剥いていい具合に厚みを整えます。

 
      仕立てで一番大切なのは
      中心の感覚だと思います。
      作っているものの中心と身体の中心を意識しながら
      手を動かしています。


      静かで美しいものには
      すうっと一本、芯が通っている感じがします。

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by wakabaworks | 2010-01-17 19:58 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 6

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         「これでよし」を見極めて

     染めが決まったらよく乾かして仕上げ剤。
     発色を良くし表面をうすくコーティングする役割なのですが、
     お疲れ様といってお化粧をしてあげる気持ちになります。
 
     柔らかで手になじみやすい仕上がりにする場合にはその前に揉み加工。
     写真は革を揉む自前の道具です。


     これらの工程で革はわずかに伸縮を繰り返しているので、
     すっかり落ち着くのを待ってから、
     次の工程に進みます。 
 




   
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by wakabaworks | 2010-01-15 17:46 | 仕上がるまでのこと | Comments(2)

仕上がるまでのこと 5

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  染める
         焦らず イメージを見失わず


    赤 青 黄 茶 黒
    の5色の染料を混ぜて染めるので
    そのつど新しい色が生まれます。

    面相筆や刷毛各種を使い分けて染めていきます。
    ろうけつ染めを組み合わせて
    より複雑なニュアンスを出したりも。

    染めも革を湿らせて行いますが、
    染め終えて乾かすと濡れた状態で見ていた色とまったく異なります。
    乾いたときにイメージ通りの色合いになるまで、
    淡い色から濃い色へと染料の濃度を調整しつつ、
    根気よく丹念に染めては乾かしを繰り返します。
    濃い色をいきなりのせるとムラになり、
    深い色にはなりません。

    実は
    染めがもっとも時間のかかる工程です。

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by wakabaworks | 2010-01-14 20:31 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 4

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    革を彫る
          革と水のいい関係

      
      図案をトレースするところから革は水で湿らせて作業します。
      革の可塑性
      (水で濡らしてやわらかくした革をあるかたちに整えて乾燥させると、
      そのかたちを保持する性質)を利用して、
      絵柄を自由に凹凸で表します。

      カービングとモデリングというふたつの手法があり
      作品のイメージに合わせて使い分けています。

      カービングは、
      スウベルカッターという独特の刃物で革の表面に切り込みを入れ
      先端が様々な形をした刻印を革に垂直にあて、
      木槌で叩いて細かく細かく凹凸をつけていきます。
      立体的な表現ができます。

      モデリングは、
      モデラという小さなヘラのような道具を使って
      革の表面を切らずに凹凸をつける方法で、
      やわらかな印象に仕上がります。

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by wakabaworks | 2010-01-12 20:33 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 3

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      クセを活かすと強い


    牛半頭分の大きな革から必要な分を切り出して使います。
    背と腹では「皮」としての役割が違っていたので
    「革」としてみたときにも繊維の密度や強度が均一ではなく
    部位によってクセが異なります。

    仕上がったときにそのクセが活きるように
    イメージを膨らませながら型紙を置き、粗裁ちします。


    絵を入れるパーツには図案をトレースします。

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by wakabaworks | 2010-01-11 15:07 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 2

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    素材 
         本革の証


     植物タンニンなめしされている牛革を使っています。
     染色その他の加工がなされていないものなので、
     上質なものでもキズやシミがあることが普通です。
     小さなキズなどは裏のパーツに使ったり、
     絵のなかに取り込んでしまったり。
     なるべく捨ててしまわずに使いたいと思っています。

 
     革の歴史の長いヨーロッパの人々のあいだでは、
     キズがあることは本革の証として受け入れられているそうです。

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by wakabaworks | 2010-01-09 13:01 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)

仕上がるまでのこと 1

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    デザイン 
           
     すべてに意味があるように



      手にしたときの感触
      持っているときの気持ち
      ながく使われて変化していくようす。
      思いをめぐらせながら  
      浮かんできたイメージを描いていきます。

      型紙を作ります。
      革の厚みや細部の縫い合わせをどうするかなど
      手順まで明確に頭に思い描いていなければ型紙は作れません。

  
      無駄がなく、はたらきを備えた美しいかたちが
      自然にひとつにつながるように心がけ
      色と線の持つ意味をよく感じ考えながら
      デザインしていきます。

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by wakabaworks | 2010-01-07 20:58 | 仕上がるまでのこと | Comments(0)