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wakaba leather works

個展終了

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           12/1から6日間、
           たくさんの方にお越しいただきました。
           みなさまのおかげで、
           とても幸せで充実した毎日でした。
           心より
           ありがとうございます。


           個展を準備しているころ、
           朝日新聞の「デザインの接点」というコーナーに寄せられた
           ファッションデザイナーの皆川明さんの文章に目が留まりました。

           「店員の言葉 商品輝かす」
           というタイトル。

           皆川さんはパソコンも持たず、
           インターネットもあまり利用されないとのこと。
           店舗だけでなく、
           オンラインショップを併せ持つブランドや小売店が多い昨今。
           そのメリットはわかるものの、
           肝心な魅力が足りないように思う、と始まります。

           「私は買い物をする時、
           薦めてくれる人の気持ちを感じるのが好きだ。
           その品への思いがお店の人にあり、
           単に売り口上ではない、
           心のこもった言葉が感じられる時、
           その人の気持ちやその場で過ごした時間も含めて
           その商品が好きになる。」

           「お店に訪れたことやコミュニケーションが、
           人生の実感となって記憶される。」
           とあります。

           本当にその通りだなぁ。

           私は心底気に入ったものしか買いません。
           だからこそ
           ひとつひとつの品物を購入したときのお店の人との会話を
           つい昨日のことのように覚えています。
           それは本当に幸せなことだと思っています。


           そしてこの度の個展。
           自分で作ったものを売る立場として、
           特に初めてお会いした方とは
           意識的にお話をするように心がけました。
           その方の目がどこに注がれているかをよく見て、
           販売のための接客、と硬くならずに、
           一期一会のひとときを楽しんでもらえるようにと。
           

           「自分の意思に織り込まれる、こうした偶発的な出来事は、
           人生の記憶に必要なものなのではないかと思う。
           便利かどうかではなく、
           『生きた』という実感のために。」と、
           皆川明さんの文章は結ばれています。


           作ったものひとつひとつに
           語りつくせないエピソードがあり、
           展示会は
           それをたとえわずかでも感じていただけるチャンス。
           自分ひとりでは完結しない「豊かさ」が広がっていく瞬間です。
           品物にいまこのときの出来事の記憶を封じ込めて送り出す。
           その実感が私を生かしています。



        

          
by wakabaworks | 2010-12-07 16:16 | お知らせ